タイプミスではありません(笑)
先週、
新宿パークタワーに行った際に、今週末に「
和のある暮らしのカタチ展」というのが開催されると知り、今週も行ってきました。
このイベントは、漆器や和紙、いぶし銀など、日本の伝統工芸技術を継承した職人さんたちが、それぞれの技術を駆使して現代の生活でも実用的なモノを作ってみました、博覧会といった趣。工房ごとにブースを構え、各職人さん自慢の製品が展示されていて、その横に当の職人さんもいらして、直接お話を伺えるというもの。目についたのは、有限会社樽冨かまたのビアマグや、豊岡鞄のユニセックスに使えるトート、松徳硝子株式会社のガラス製品など。どれもこれも、日本の伝統工芸技術に裏打ちされた「美しい実用品」の数々で、使い古された言い方ですが「古くて新しい」という形容がしっくりきます。
そんな中でも、とりわけ異色だったのが、有限会社山口工芸が出品していた「
木ーボード(テンキーレス、コンパクト版)」(←タイプミスではありません)。
これは、ボディからキートップに至るまで、ユーザーが目にして、手に触れる部分がすべて木で作られたキーボードで、USB接続なので、WindowsでもMacでも使えるというもの。色は明るい印象のメープルウッドと、渋い感じのブラックウォールナットの2色展開。
そばにいらした職人さんによると、某匿名巨大掲示板や雑誌などで紹介され、けっこうな話題になっている、とのことでしたが、恥ずかしながらキーボード好きを自称していた私は知りませんでした。勉強不足で申し訳ない。
なんでも、職人さんの友人の方がプラスティックアレルギーで、通常のパソコンキーボードのキートップそれぞれにセロテープを貼って使っていたことがきっかけで、「友人でも安心して使えるキーボードを作ろう」と思ったことがキッカケだとか。思わずうなずいてしまいましたよ。それにしても、これほど存在感のあるキーボードにはお目にかかったことがありません。これは「ネタ」としてもちょっと欲しくなっちゃいますよ。
ただ、打鍵感は今ひとつ。キータッチは軽めで好みなんですが、プロトタイプということもあってか、押し込んだときにキートップが左右にぐらつく感じがします。不安定な感じがするというか。また、打鍵音も木だけあってちょっとうるさめ。メカニカルタイプのキーボードに慣れている人なら、余裕で許容範囲なのでしょうが。あと、完全なハンドクラフト製品なので価格が…。あ、でもこれは、既定注文数(99台)に到達した段階での受注生産なんですね。ガンガン売れてくれれば、もしかしたら安くなってくれるかも…。
ただ、削り出しの木の感触、ほのかに木の香りがするところなど、身近に置いておくだけで癒される要素が満載なのは事実。テンキーレスのコンパクトタイプで、69,825円(税込、99台生産時)となかなかのお値段ですが、こうしたものに価値を見いだせるならぜひ。
「どうしてもフルキーボードじゃないとダメ」という方には、同社から
こんなのも出てます。価格も262,500円(税込)と、たいへんなことになってますけどね…。